「副業」と「仕事」と「暮らし」を、ClaudeのProjectsで箱分けすると頭が静かになる

たとえば、こんな夜

ひとつのAIに、仕事も副業もプライベートも全部話している夜があります。本業のレビューを相談している流れで「家事分担をAIに聞いてみよう」と同じスレッドで話を続けて、3日後には副業の著作権の話を始めて——気づくと、過去の文脈が全部混ざった巨大なチャットが何本もできあがっていることがあります。

こんなふうに使える

ClaudeのProjects機能で「箱」を分けられます。プロジェクトごとに、ファイル・指示・知識を分離して保存できます。「副業」「仕事」「暮らし」など、文脈の異なる会話を別の箱に入れられます。箱を開いた瞬間だけClaudeがその文脈を引っ張ってくれて、閉じれば中身が漏れません。

想像してみると

claude.aiの左メニューから「Projects」を開いて、「+」で3つ作ってみる。「本業エンジニアリング」「副業(DTM・イラスト)」「暮らし(同棲・家事・将来)」。それぞれの箱に「カスタムインストラクション」を書く欄があって、「私は27歳Web系エンジニア。会社のコードや顧客情報は絶対に貼りません。技術的な相談とキャリアについて話します」と打ち込んでみる。一度書いておけば、その箱を開いた会話には毎回その前提がついてきます。本業の相談を「暮らし」の箱で始めようとして「あ、これは別の箱だ」と気づく瞬間が増えて、AIに渡す前に自分の中で整理が進む感覚があります。

この記事でできること

ひとつのAIに、仕事も副業もプライベートも全部話していると、文脈が混ざって疲れることがあります。ClaudeのProjects機能で「箱」を分けると、開いた箱だけClaudeが覚えていて、閉じれば中身が漏れません。

  • プロジェクトごとに、ファイル・指示・知識を分離して保存できる(Proで無制限)
  • 「副業」「仕事」「暮らし」など、文脈の異なる会話を別の箱に入れられる
  • 箱を開いた瞬間だけ、Claudeがその文脈を引っ張ってくれる

使うもの: Claude Pro($20/月、Projects機能はPro以上)
かかる時間: 約20分(初期設定の場合)
必要なスキル: ファイルをアップロードできればOK

こんな場面で活きる

27歳のWeb系エンジニアで、本業はNext.js+Goを書いていて、副業として週末にイラスト生成やDTMで遊んでいる、という暮らし方があります。AIには課金していて、ITエンジニアの78.1%が毎日使っているという調査もある現在、使い倒している自覚はあります。

問題は、「仕事のClaude」「副業のClaude」「暮らしのClaude」が、いつのまにか全部ごちゃ混ぜになっていることがあるのです。「壁打ち」相手として優秀なのに、相手に渡している前提条件がブレすぎて、返ってくる回答も微妙にズレる。じわじわとストレスが溜まる感覚があります。

ClaudeのProjects機能を使えば、文脈を「箱」として分離できると公式の機能カタログにも書かれています。Proで無制限に作れる設計です。3つの箱を作って、1ヶ月だけ運用ルールを変える、という活用パターンが入り口になります。

手順:3つの箱と、それぞれの「説明書」

ステップ1:Projects画面で箱を3つ作る

claude.aiの左メニューから「Projects」を開いて、「+」で新規プロジェクトを3つ作ります。

  • 箱A:本業エンジニアリング
  • 箱B:副業(DTM・イラスト)
  • 箱C:暮らし(同棲・家事・将来)

それぞれの箱には「カスタムインストラクション」を書ける欄があって、ここに「私は誰で、この箱では何の話をするか」を書きます。一度書いておけば、その箱を開いた会話には毎回その前提がついてくる。Claudeの公式ドキュメントには「プロジェクトごとにコンテキスト(ファイル、指示)を分離管理。開くとClaudeがそのコンテキストを把握、閉じると漏れない」と書かれていて、まさにこの「閉じると漏れない」のところが欲しかった機能、という人が多いはずです。

ステップ2:箱ごとに「説明書」と「ファイル」を入れる

箱A(本業)には、こう書きます。

「私は27歳Web系エンジニア。Next.js + Goでプロダクトを書いています。会社のコードや顧客情報は絶対に貼りません。技術的な相談(アーキテクチャ、設計判断、レビューの観点)と、自分のキャリア(転職、独立、副業との両立)について話します。コードレビューを頼んだときは、必ず『なぜ』を含めて返してください」

箱Bには、副業の前提条件を書きます。「DTMはSunoとLogic Pro。AI生成物の商用利用ルールには気を遣います。著作権の論点が出てきたら、必ず一次情報の出典を示してください」と。

箱Cには、もっと個人的なルールを置きます。「同棲して2年。家事分担で揉めがち。片方の視点だけで答えず、両者の立場から見える形で返してください」

ステップ3:箱を切り替えて運用する

1週間使ってみて、一番効くのは「箱を間違えて開かない」習慣ができること。本業の相談を箱Cで始めようとして「あ、これは箱Aだ」と気づく。これだけで、AIに渡す前に自分の中で「いま何の話をしようとしているか」が整理されます。

ClaudeにはMemory機能(会話横断の永続記憶)もあって、2026年3月までに全プラン展開済みとのこと。Projectsの中だけにMemoryが効くわけではないけれど、Projectsで箱を分けているおかげで、Memoryが「全部の会話を混ぜて覚える」状態にはなりません。

つまずいた:箱を作りすぎて、結局どこで何を話したか分からなくなる

最初の1週間、調子に乗って箱を7つまで増やしてしまうパターンがあります。「本業」「副業DTM」「副業イラスト」「家事」「将来設計」「健康」「親への対応」。粒度を細かくしすぎて、新しい話題が出てきたとき「これはどの箱だっけ」と毎回迷う羽目になります。

2週目から3つに戻して、その代わり各箱の中でタグやスレッドを切るルールに変える。粒度のちょうどいいところは、人それぞれ違うはずです。「本業/副業/暮らし」の3分類が一番ストレスが少ない、というケースが多い。

もうひとつ気をつけたいのは、箱Aの説明書に「会社のコードは貼らない」と書くこと。Claudeのプライバシーポリシーは2025年9月以降アップデートされていて、消費者プラン(Free/Pro/Max)のデータが学習に使われる可能性がオプトイン方式で導入されたという情報があります。オプトアウト設定にしていても、会社の機密に触れるものは絶対にAIに渡さない、と自分のルールにしておくのが安全です。

学んだこと:「全部覚えていてほしい」と「文脈を分けたい」は両立する

これまでは、AIに「全部覚えていてほしい」と思っていた、というケースが多いはずです。会話履歴が長くなるほど、AIが自分のことを分かってくれる感じがあって、それが安心感になっていた、という温度感があります。

ただ、覚えてもらった文脈が混ざりすぎると、答えがぼやけることが分かります。本業の効率の話をしている横で、家庭内の関係の話が引っ張られてくる。AIが悪いわけではなくて、「同じ箱に全部入れていた」のが原因です。

Projectsで箱を分けると、「いま開いている箱の中だけ覚えていてほしい」「他の箱の話は引っ張ってこないでほしい」という距離感が成り立つようになります。これは紙のノートを3冊使い分けるのと似ています。仕事のノート、副業のノート、日記。3冊あったほうが、書くときも読み返すときも、頭が静かになる。

次に試したい

副業の箱(箱B)に、AI生成物の著作権について自分が読んだ記事のPDFを5本ほど入れて、「AI著作権リテラシー」という形で常駐させる、というプランもあります。新しい疑問が出るたびに、その箱に蓄積された資料を背景にして相談できる。プロジェクトを「自分専用の参考書棚」として育てていく感覚です。

AIに「全部話す」のをやめて、「箱を分けて、開いたときだけ話す」に切り替える。それだけで、AI疲れが少し減ります。

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