実家の両親への「スマホの説明」を、動画にすると電話が減る
たとえば、こんな土曜の朝
土曜の朝8時、保育園のお弁当を作っているときに実家の母から電話がかかってきます。「LINEの上の方にずっと『1』って出てるんだけど、消えない」。先月も先々月も説明した内容で、フライパンを持ったまま「未読のメッセージがあるとそうなるから、トーク一覧を全部開いてみて」と説明する場面があります。電話を切ったあと、3回目で硬くなった自分の声を、母はきっと電話越しに察している――そんな小さな自己嫌悪が残る朝があります。
こんなふうに使える
Synthesiaのアバター動画を使うと、一度説明したことを、いつでも見返せる動画として残せます。「言葉で説明する」のではなく「画面と一緒に話してくれる動画」を渡せます。両親が分からなくなったときに、自分の手が空いていなくても見返してもらえます。
想像してみると
「LINEのトーク一覧画面」「未読バッジが残っているトーク」「メッセージを開いて既読にする画面」のスクショを3枚撮ってGoogleスライドに貼り、矢印と短い説明を入れます。各スライドのノート欄に、いつも母に話しかけるときの言い回しで台本を書く。「ねぇお母さん、LINEの上の方に出てる『1』のマークね、誰かからメッセージが来てるよっていうお知らせなの」。
完成した動画を母にLINEで送ります。「お母さん、私の代わりに説明する動画を作ってみたから、わからなくなったらこれ見てね」と一言添えて。次に電話がかかってきても、「あの動画もう一度見て、それでも分からなかったらまた電話して」と落ち着いて言えるようになります。電話の中身が「同じ説明の繰り返し」から「次のステップの相談」に変わり、減った時間で母の体調の話をゆっくり聞けるようになる――そんな変化が想像できます。
この記事でできること
- 一度説明したことを、いつでも見返せる動画として残せる
- 「言葉で説明する」のではなく「画面と一緒に話してくれる動画」を渡せる
- 両親が分からなくなったときに、自分の手が空いていなくても見返してもらえる
使うもの: Synthesia(Starterプラン $29/月) かかる時間: 1本の説明動画で約30分 必要なスキル: スマホの操作画面を写真に撮れればOK
同じ説明を3回したら、声が硬くなる
土曜の朝8時、保育園のお弁当を作っているときに実家の母から電話がかかってきます。「LINEの上の方にずっと『1』って出てるんだけど、消えない」。先月も先々月も説明した内容で、フライパンを持ったまま「未読のメッセージがあるとそうなるから、トーク一覧を全部開いてみて」と説明する――そんな場面があります。
電話を切ったあと、自己嫌悪が残ります。母は悪くない。声が3回目で硬くなったことを、母はきっと電話越しに察している。「あなたも忙しいでしょうから、もう聞かないようにする」と母に言わせてしまうことが、いちばん嫌な瞬間です。
ChatGPTを夕飯の献立で使うようになると、AIを家族のために使う発想は少しずつ広がります。Synthesiaで「説明する自分の代わり」を残せると知ると、これは母との距離を遠ざける道具ではなく、近づける道具になるかもしれない、という発想転換ができます。
手順:「LINEの未読バッジ」説明動画
ステップ1:スマホ画面のスクショを並べる
まず、母が困っている「LINEのトーク一覧画面」「未読バッジが残っているトーク」「メッセージを開いて既読にする画面」のスクショを3枚撮ります。これをGoogleスライドに貼って、それぞれのスライドに矢印と短い説明を入れます。
スマホで全部できる、と思いがちですが、スライドはPCで作る方が早いです。母の目線に合わせて、文字は大きく、矢印は赤く太く。
ステップ2:いつもの自分の言い方で台本を書く
Synthesiaのアバターには、いつも母に話しかけるときの言い方で台本を書きます。
ねぇお母さん、LINEの上の方に出てる「1」のマークね、誰かからメッセージが来てるよっていうお知らせなの。下のトーク一覧をスクロールして、青い数字がついてるのが未読のメッセージだから、それをタップして開けば消えるよ。
最初は丁寧語で書くと、再生したときに「お客様への案内動画」みたいになってしまうことがあります。これは母にとっては逆に距離感が出るので、普段の口調で、少しゆっくり目に話してくれるよう設定するのがおすすめです。
ステップ3:アバターを選んで動画化
自分の顔のPersonal Avatarは使わない選択肢があります。母が「これあなたじゃないわよね、誰?」と混乱する可能性があるからです。やわらかい雰囲気の女性のストックアバターを選んで、声も穏やかな日本語に設定する運用が現実的です。
完成した動画は、母にLINEで送ります。「お母さん、私が説明する代わりの動画を作ってみたから、わからなくなったらこれ見てね」と一言添えて。
つまずきやすい:「あなたじゃない人が話してる」違和感
母から最初に返ってくる反応が「これ誰が話してるの?」になる場面があります。
説明動画として作ったことを伝えていても、知らない女性が娘の言葉で母に話しかける構造に、母は最初少し戸惑うパターンです。「あなたの声で言ってくれた方が安心する」と。
その夜に電話で話して、「動画の人はAIで作った『私の代わりの説明役』なの。本当に困ったときは今までどおり電話してね」と説明すると、母も何度か見返すうちに「最近は動画見ればだいたい分かるようになった」と言ってくれるようになります。
それから、Personal Avatarで自分の顔の動画を作ることも考えられます。けれど両親世代に自分の顔のAI動画を渡すと「ディープフェイクで悪用されないか」という別の不安を生むかもしれない――そう判断するなら、ストックアバターのままで続ける選択肢が現実的です。
学び:「説明を残す」が、家族との距離を変える
電話で繰り返していた説明が動画に置き換わって、いちばん変わるのは送り手の側です。
母から電話がかかってきても、「あの動画もう一度見て、それでも分からなかったらまた電話して」と落ち着いて言える。声が硬くならない。母も「動画見たんだけど、ここがやっぱり分からない」と、具体的な質問をしてくれるようになって、電話の中身が「同じ説明の繰り返し」から「次のステップの相談」に変わります。
動画を作るのは「LINEの未読」「写真の送り方」「カメラの拡大」の3本だけ。それでも、両親からの電話の頻度は週2〜3回から月3〜4回に減るような変化が期待できます。減った時間で、母の体調の話をゆっくり聞けるようになる――それが、いちばん大きな変化かもしれません。「効率化された」というより、自分の側の余裕が母との会話の質を変える、という温度感があります。
次に試したい
- 保育園の連絡帳の書き方を、義母にも共有: 娘を預けるときに義母が困らないように
- 「孫の写真をAirDropで送る方法」動画: 父が新しいiPadを買ってから、写真を取り込めなくて困っているとき
- 病院の予約サイトの使い方: 母がよく行く整形外科の予約画面を、画面録画+アバター解説で
注意しておきたいこと
- アバター動画は便利ですが、両親世代には「これ誰が話してるの?」という不安を生むことがあります。最初に「私の代わりに説明してくれる動画を作ったよ」と一言伝えるだけで受け止め方が変わります
- 操作説明はスマホ機種やアプリのバージョンによって画面が変わります。動画は半年に一度くらい見直して、画面が変わっていたら作り直す前提で考えておくと安心です
- Synthesiaの無料版は商用利用不可ですが、家族向けの個人利用であれば問題なく使えます。ただしFree版は3分/月の制限があるため、複数本作るならStarterプランからになります(2026年5月時点) — Source: Synthesia Pricing