教科書をNotebookLMに食わせると、Flashcardsが勝手にできる

たとえば、こんな夜

国家試験を終えても、薬剤師の勉強は終わらない夜があります。認定薬剤師の更新、新薬のガイドライン、入社前に渡された疾患領域の資料。読まないといけない PDF が手元に積み上がっていきます。蛍光ペンを引いて、ノートにまとめて、付箋を貼る。嫌いではない作業でも、予備校に5年で150万円かけたあとに同じことを続けるのは正直しんどい瞬間があります。「読んだ気になって翌週には忘れる」状態が一番こわい距離が残ります。

こんなふうに使える

教科書 PDF やガイドラインを NotebookLM に入れると、Flashcards と Quizzes が自動生成されます。答えに紐づく出典箇所が citation で表示されるので、丸暗記ではなく根拠ごと覚えられます。「Got it / Missed it」の進捗が保存されるので、苦手な分野だけ繰り返し学習できます。

想像してみると

大学のレジュメ、学会ガイドラインのPDF、入社前課題のWordファイルを1つのノートブックに入れてみる。Studioパネルの「Flashcards」ボタンを押すと、表面に質問・裏面に答えのカードがまとまって生成される流れがあります。「Got it」「Missed it」をタップしながら、覚えた分は外して苦手なものだけ残していくと、机に向かう時間の中身が「カードを作る」から「答えられなかった理由を考える」に変わる感覚が流れます。詰まった範囲だけ別ノートブックにまとめてAudio Overviewを生成すれば、通学電車で耳学習にも回せます。

この記事でできること

薬学部6年で国家試験を終えたあと、認定薬剤師の学習用に NotebookLM を使う方法を紹介します。教科書とガイドラインを投入するだけで、Flashcards と Quizzes が自動で生まれ、citation jump(出典の該当箇所に飛ぶ機能)で「この答えはどのページに書いてあるか」まで一発で確認できます。

  • 教科書 PDF やガイドラインを NotebookLM に入れると、Flashcards と Quizzes が自動生成されます
  • 答えに紐づく出典箇所が citation で表示されるので、丸暗記ではなく根拠ごと覚えられます
  • 「Got it / Missed it」の進捗が保存されるので、苦手な分野だけ繰り返し学習できます

使うもの: NotebookLM(無料版でOK) かかる時間: 約30分(教科書PDFの準備込み) 必要なスキル: なし

Studio パネルから Flashcards と Quizzes が出てくる

NotebookLM(ノートブックエルエム)は、Google が出している無料の学習・読解 AI です。アップロードした資料だけを見て答えてくれるので、教科書の中身に閉じた学習ノートとして使えます。

ノートブックを開くと右側に「Studio パネル」というエリアがあり、ここに「Reports」「Mind Map」「Audio Overview」「Video Overview」「Flashcards」「Quizzes」が並んでいます。Flashcards または Quizzes のボタンを押すだけで、投入した資料に基づいたカードや問題が自動で生成されます。Studio パネルから Flashcards / Quizzes をワンクリックで生成できる仕様は 2026-03-20 のアップデートで整理されたものです。

[screenshot: Studioパネルから生成されたFlashcardsの画面]

手順

ステップ1:ノートブックを作って資料を入れる

notebooklm.google.com を開いて、Google アカウントでログインします。「新しいノートブック」を作って、手元の資料を「ソースを追加」から入れていきます。

入れるソースの構成例は以下の通り。

  • 大学で配布された疾患領域のレジュメ(PDF)
  • 学会ガイドラインの公開 PDF
  • 入社前課題で渡された資料(Word / .docx)
  • 関連する論文(PDF)

NotebookLM は 2025-11-13 から Microsoft Word(.docx)にも対応していて、配布資料が Word のままでもアップロードできます。1ソース最大500,000語まで入るので、教科書1冊が1ソースに収まることが多いです。

ステップ2:Flashcards を生成する

Studio パネルの「Flashcards」ボタンを押します。少し待つと、資料の重要な概念をもとにしたカードがまとまって出てきます。表面に質問、裏面に答え、というクラシックな単語カード形式です。

「Got it」「Missed it」のボタンで自己判定できて、進捗が保存される仕様(2026-03-20 のアップデート)になっています。シャッフルや削除もできるので、覚えた分は外して、苦手なものだけ残していくのがやりやすい使い方です。

ステップ3:Quizzes で別角度から確認する

Flashcards だけだと「単語と答えのペア」で覚えてしまいがちなので、Quizzes も併用します。こちらは選択式の問題形式で、同じ概念でも問われ方が変わると詰まる箇所が見えてきます。

citation jump で「丸暗記」を回避する

NotebookLM の一番の安心材料は、すべての回答に citation(引用元)チップが付くことです。Flashcards の答えにもチップが付いていて、押すと元の PDF の該当箇所にジャンプします。

「この答え、本当に教科書に書いてあるんだっけ」を疑える設計になっているのが、医療系の学習だとかなりありがたい。「AI が言ってたから」ではなく「教科書のここに書いてあるから」で覚えられるので、後から国試の過去問や臨床現場で出くわしたときに繋ぎ直しがききます。

NotebookLM は「ソースに含まれない情報には回答しない」設計が公式に明言されている数少ない AI ツールです。ChatGPT に医薬品名を聞いたときの「それっぽいけど出典が曖昧」という不安が、ここではかなり減ります。

Audio Overview で耳学習にも回せる

Flashcards で詰まった範囲だけを切り出して、別ノートブックにまとめ直し、そこから Audio Overview を生成すると「自分専用ポッドキャスト」ができます。AI ホスト2人が会話形式で資料を解説してくれる機能で、80以上の言語に対応(2025-08-25 以降は日本語もフル尺)。

通学の電車や調剤バイトの行き帰りで聞いておくと、Flashcards で詰まった箇所が「耳から入ってくる」状態になって、机に戻ったときの定着が早くなります。

無料版でどこまでできるか

2026年5月時点で無料版の上限はこのあたりです。

項目FreePlus(Google AI Pro 同梱 月19.99ドル)
ノートブック数100500
1ノートブックあたりソース数50300
1ソースあたりの上限500,000語 or 200MB同じ
Audio Overview3回/日20回/日
Chat の質問回数50回/日500回/日

教科書数冊と論文を入れる程度なら、Free でも十分まわります。Audio Overview を毎日大量に作りたい人や、複数科目を並行で進めたい人は Plus を検討する余地があります。

ノートを取る時間が、考える時間に変わる

蛍光ペンを引くこと自体が学習だ、という感覚もあります。一方で、「カードを作る」「問題を作る」という作業を AI に任せて、自分は「答えられなかった理由」だけ考える、という分業にすると、机に向かう時間の中身が変わります。

「覚える」ためではなく「考える」ために教科書を開く時間が増えるのが、地味に大きい変化です。試験勉強の終盤や、社会人になってからの専門資格にも応用できる手応えがあります。


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