顔出ししたくないけどYouTubeを始めたい——HeyGenのPublicアバターで技術解説動画を出す
たとえば、こんな夜
平日の夜、本業から帰って自分のデスクに向かう時間があります。Cursor や Claude Code のこと、本業で毎日触っている AI ツールの話を、本当は誰かに話したい。Zenn や Qiita では書いてきたけれど、動画にも挑戦してみたい。でも本業の会社で副業バレすると困るし、顔と名前で発信するのもリスクが高い――そんな葛藤を抱えながらモニターを見つめる夜があります。
こんなふうに使える
HeyGen の Public アバター(公式が用意した100体以上の AI 俳優)を使って、自分の顔も声も出さずに台本だけで動画を作る方法があります。ChatGPT で台本を書き、HeyGen の画面に貼り付けると、選んだアバターがその台本を読み上げる動画が完成する流れです。「これは公式アバターで、台本はチャンネル運営者が書いている」と概要欄で明示することで、なりすまし懸念も避けられます。
想像してみると
夜23時、HeyGen のアバター一覧を眺めながら、「カジュアルな20代後半男性、Tシャツ姿、明るめ」のアバターを選んでみる。別タブで ChatGPT を開いて「Claude Skills で仕事のテンプレ化を自動化する方法、5分動画用の台本を書いてください」と頼む。返ってきた750字の下書きを、自分自身の本業の経験で30%ほど書き換える。「実際に使っている Skill」「失敗した例」を差し込んだら、HeyGen の画面に戻ってテキスト欄に貼り付ける。Generate ボタンを押して5分待つと、アバターが台本を読み上げる動画が完成している。CapCut でロゴとテロップを足して、概要欄に「HeyGen の Public アバターを使って制作」と明記してアップロードする。週1本のペースで続けるうちに、コメントに「具体的な使い方が知れた」という声が増えていく――そんな時間が流れます。
この記事でできること
副業でYouTubeをやりたいんだけど、本業の会社で副業バレすると困るし、エンジニアとして顔と名前を出して技術発信するのも気が引ける——そんなとき、HeyGenの「Publicアバター」(HeyGenが公式に提供する100体以上のAI俳優アバター)を使うと、自分の顔も声も出さずに、台本だけで毎週1本の技術解説動画を出せます。
- HeyGenが用意した100体以上のPublicアバターから1人選びます(自分のアバターは作らない)
- 技術解説の台本をChatGPTで書いて、HeyGenの動画作成画面に貼り付けます
- アバターが台本を読み上げる動画ができあがります(1080p、ウォーターマークなし)
使うもの: HeyGen Creator($24/月、年払い$15/月)、ChatGPT Plus($20/月、台本生成用) かかる時間: 5分動画1本あたり、台本作成30分+生成5分+編集20分 必要なスキル: マークダウンで台本を書ける程度
「自分のアバターは作りたくない」と決める理由
副業でAI関連の技術解説をYouTubeで発信したい、というのは多くのエンジニアが考えること。Cursor、Claude Code、AI Skillsあたりのトピックは需要があるし、本業で毎日触っているから話せる。
ただ、本業の会社で副業に厳しい上司がいる場合、顔と名前で発信するのはリスクが高い。かといってずっとテキストブログ(Zenn / Qiita)で発信してきた人なら、動画にも挑戦したい気持ちはあるでしょう。
HeyGenを最初に試すとき、自分のPhoto Avatar(写真5枚から作る個人アバター)を作るかどうかで結構悩みます。理由は3つあります。
- 自分の顔と声をAIに学習させることのデータプライバシー
- もし副業がバレて会社が問題視したとき、HeyGenに登録したアバターは消えないかもしれない
- 動画の中に自分のアバターが映っていると、技術解説とは別の文脈で個人特定される可能性
結論として、自分のアバターは作らず、HeyGenが用意したPublicアバター(誰でも使える公式AI俳優)を使うという選択ができます。これは技術判断というより、リスク管理の判断です。
手順:Publicアバターで毎週1本のYouTube動画を出す
ステップ1:Publicアバターから1人選ぶ
HeyGenのアバター一覧を見ると、Public Avatar(誰でも使える)が100体以上あります。スーツ姿の男性、カジュアルな女性、エンジニア風の若手など、様々なテイストが揃っています。
「カジュアルな20代後半男性、Tシャツ姿、明るめ」のアバターが技術解説チャンネルの雰囲気に合いやすく、何より「これは本人ではない」と一目で分かるのが利点です。
ちなみにこのアバターには名前(キャラ名)がついていて、視聴者にも「これはHeyGenの公式アバターで、台本はチャンネル運営者が書いている」と動画概要欄で明示できます。
ステップ2:ChatGPTで台本を作る
「Claude Codeで使えるClaude Skillsの作り方」みたいなテーマで、ChatGPT Plusに5分動画用の台本(約750字)を作ってもらいます。プロンプトはこんな感じ。
AIツール解説YouTube動画用の5分台本を書いてください。テーマは「Claude Skillsで仕事のテンプレ化を自動化する方法」。30代エンジニア視聴者向け、技術用語は使うけど初心者にも分かるトーンで、具体例を2つ入れてください。
返ってきた台本を、自分自身の経験談で30%くらい書き換えます。AIに全部任せると一般論で終わってしまうので、「実際に使っているSkill」「失敗した例」「Claude Code Auto Modeとの組み合わせ」など、本業で得た知識を差し込みます。
ステップ3:HeyGenの動画作成画面に貼る
選んだPublicアバターを左側に配置して、右側のテキスト欄に台本を貼り付けます。日本語の音声はHeyGen標準の日本語音声から、アバターと合うトーンのものを選びます(やや早口、ハキハキ系)。
5分動画1本でCreator($24/月)のクレジットを約2-3消費する感覚です。月15クレジットあるので、週1本ペースで月4本なら余裕で収まります。
ステップ4:CapCutで編集してYouTubeにアップ
生成されたHeyGen動画(MP4)を、CapCut(無料動画編集アプリ)に取り込んで、
- 冒頭にチャンネルロゴ
- 重要なキーワードを画面下にテロップで表示
- BGMを薄めに(YouTube Audio Library無料)
- 終わりに「概要欄で関連記事リンク」案内
を足してYouTubeにアップロード。動画概要欄には必ず「この動画はHeyGenのPublicアバターを使って制作しています。声・顔は実在の人物ではありません」と明記します。
つまずきやすいところ
最初の3ヶ月、再生回数は1動画あたり50-100回くらいで全然伸びない、というのはよくあるパターンです。原因を分析すると、「AIアバターが台本を棒読みしている」感じが視聴者に伝わっていて、コメント欄に「AIで作った動画は中身がない」「結局アフィリエイトでしょ」みたいな書き込みが付きます。
これは技術の問題というより、コンテンツの問題です。台本をAIに全部書かせていた頃の動画は、確かに「どこかで読んだような話」に見える。
もう一つの葛藤は、「Publicアバターを使うことが視聴者を欺いているのか」という問題です。チャンネル運営者が顔出ししないこと自体は問題ないけれど、視聴者は「画面に映っているこの人」が話していると勘違いするかもしれない。
解決の方法:「アバターは代弁者」と動画内でも宣言する
うまく行き始めるのは、コンテンツと表示の両方を見直してからです。
- 台本の70%は自分自身の本業での経験談を入れる(AIに全部書かせない)
- 動画の冒頭5秒で「このチャンネルはHeyGen公式アバターを使って、AIエンジニアが技術解説しています」と毎回宣言する
- 概要欄、チャンネル説明文にも明記
- アバターの名前(キャラ名)を使い、視聴者に「これはAI俳優」と認識してもらう
「自分の顔は出さないけど、自分の経験は出す」というラインを引いてから、コメントの質が変わってきます。「AIで作った動画」という指摘より、「Claude Codeの具体的な使い方が知れた」というコメントが増えてきます。
学び・気づき:「顔を出さない発信」は技術より姿勢の問題
一番大きいのは、AI動画ツールで悩むべきは「品質」ではなく「姿勢」だと気づける点です。
「アバターを使うこと自体がズルい」と思う人もいるし、「AIが話しているように見える内容は信用できない」と思う人もいる。それを覆すのは技術ではなく、「中身は本物の自分の経験です」「アバターは代弁者です」と明示し続けることです。
エンジニアとしての副業で、本業に支障を出さずに発信を続ける、という両立は前は無理だと感じていた人にとって、HeyGenのPublicアバターを「自分の代わりに動いてくれる代弁者」として扱えると、現実的な選択肢になります。
次に試したいこと
- コーディング画面の解説動画: アバター+VSCode画面の二画面構成で、より実践的な内容に
- 複数アバターで対談形式: 1人のアバターが解説、もう1人が質問する、ラジオ的な構成
- 英語版チャンネル: HeyGenのVideo Translationで、日本語動画を英語化してグローバル展開する
注意しておきたいこと
- HeyGenのPublicアバターは商用利用可能ですが、Creator($24/月、年払い$15/月)以上のプラン必須です。Free版は商用利用不可・ウォーターマーク必須なので、YouTubeで広告収益を得るには有料プランが必要です — Source: HeyGen Pricing
- AIアバターを使った動画であることは、YouTube概要欄・チャンネル説明文に必ず明記してください。YouTubeはAI生成コンテンツの開示を求める規約があり、明示しないとペナルティ対象になる可能性があります
- HeyGenのPublicアバターは「実在のモデルがHeyGenに利用許諾を出した上で提供されている公式アバター」です。勝手にアバター化された他人の顔ではないので、安心して使えます — Source: HeyGen Moderation Policy
- 副業として収益化する場合、本業の会社の副業規定を必ず確認してください。AIアバターで顔出ししなくても、コンテンツの内容や声紋から個人特定される可能性はゼロではありません