海外赴任で結婚式に出られない友人として、HeyGenで祝辞動画を送る

たとえば、こんな日

海外赴任しているせいで、親友の結婚式に出られないことが確定する日があります。最初は「祝電とビデオメッセージで済ませよう」と思うのが普通ですが、披露宴に英語スピーカーが半分近くいると聞いて、「日本語と英語の両方で祝辞を読みたい」となる日もあります。普通にスマホで自撮りしたビデオメッセージを送ろうと考えても、海外のフラットの照明が黄色っぽくて、何度撮り直しても疲れた顔に映ってしまう場合があります。仕事で連日深夜まで会議が入っていて、撮影に集中できる時間も取れない、ということもあります。

こんなふうに使える

HeyGenのPhoto Avatarを使って、自分の顔と原稿から祝辞動画を作れます。

  • 自分の写真5枚と15秒の同意動画から、自分のアバターを作れます
  • 日本語の祝辞原稿をテキストで入れると、アバターが読み上げてくれます
  • 同じ原稿をHeyGenの翻訳機能で英語版にして、口元まで英語に合わせた2本目を作れます

使うもの: HeyGen Creator($24/月、年払い$15/月)、自分の写真5-10枚、同意フレーズを話す動画 かかる時間: アバター作成30分+祝辞動画1本あたり10分 必要なスキル: スマホで自撮りができればOK

想像してみると

赴任先のフラットで、深夜にHeyGenの動画作成画面に祝辞原稿を打ち込んでみる場面を想像します。2分にまとめた原稿をテキスト欄に貼り付けて、自分のPhoto Avatarに読み上げさせる。数分で日本語版が流れます。続けてVideo Translation機能で英語に翻訳すると、口元まで英語の発音に合わせて2本目が流れる。新郎の名前の発音やフランス語が混じる部分を手直しして、披露宴幹事に「これはAIで作った合成動画です。本人は今ロンドンにいて、文章は本人が書いたものを自分のアバターに読ませています」と打ち込んでみる。披露宴当日、新婦から「ロンドンからの動画、みんな『ちょっとSF映画みたいだったけど、本人の言葉だってすぐ分かった』って言ってたよ」とメッセージが流れる時間が想像できます。

HeyGen(ヘイジェン)は、写真と原稿から喋る動画を作るサービスです。スタジオで撮影する余裕がない人でも、原稿の中身と話す順番だけ自分で決めれば、読み上げと翻訳をHeyGenに任せられる選択肢があります。

手順:自分のPhoto Avatarを1体だけ作る

ステップ1:本人確認とPhoto Avatar登録

HeyGenのCreatorプランに登録(月$24、年払いだと$15)してから、Photo Avatarの作成画面に進みます。ここで重要なのが「同意フレーズを話す動画」の提出です。HeyGenが指定するフレーズ(英語で「I authorize HeyGen to create my AI Avatar」のような文言)をスマホで撮影してアップロードしないと、アバターを作れません。

これは、なりすまし防止のための仕組みです。他人の写真を勝手にアバター化することを防ぐために、「本人がその場で同意フレーズを話す動画」を必須にしています。これがあるから、最初の心理的ハードルがだいぶ下がります。

ステップ2:自分の写真5枚を学習させる

正面顔・斜め45度・笑顔など、いくつかの角度から撮った写真5枚をアップロードします。撮影日が最近のもの、髪型が現状に近いもの、を選ぶのがコツです。

30分ほど待つと、自分の顔をベースにした「Photo Avatar」が出来上がります。

ステップ3:日本語の祝辞原稿を入れて1本目を作る

祝辞の原稿を約2分にまとめて、HeyGenの動画作成画面で「テキスト → アバターが読み上げ」のフローで入力します。日本語音声は、自分の声を「Voice Clone」(ElevenLabsとの組み合わせも選べる)で学習させたものを使えます。

数分で、自分のアバターが日本語で祝辞を読み上げる動画ができます。

ステップ4:英語版をVideo Translationで作る

同じ原稿をHeyGenのVideo Translation機能で英語に翻訳すると、なんと口元まで英語の発音に合わせて動画を作り直してくれます。175言語に対応していると公式ページに書いてありますが、日本語→英語は実用品質です。

ただし翻訳された原稿はそのまま使わず、披露宴の文脈に合わせて手直しが必要です。新郎の名前の発音、フランス語が混じる部分など、AIにすべて任せると微妙な箇所が残るからです。

つまずきやすいところ

最初に作った日本語動画を新婦に送ると、「合成だってバレないかな」と心配される場合があります。これがいちばん大きな葛藤になります。

あえて披露宴の幹事に「これはAIで作った合成動画です。本人は今ロンドンにいて、文章は本人が書いたものを自分のアバターに読ませています」と事前に説明する方法があります。理由は3つです。

  • 親しい人を「驚かす」目的でAI動画を使うのと、「祝辞を本物だと思わせる」のとでは意味が違う
  • 披露宴の場で「あれ実は合成だったらしいよ」と後からバレると、新婦に失礼になる
  • 海外ゲストにも「これは AI video message」と説明できる

新婦も「合成だと知った上で楽しみにしてる」と返してくれれば、結果的に披露宴会場でも「ロンドンからのAI祝辞」として紹介してもらえる流れがあります。

解決の方法:「合成だと明示する」を最初に決める

うまく回り始めるのは、技術以前に「合成であることを伝える」というルールを最初に決めてからです。

  • アバター作成の段階で、本人(自分)の同意動画を提出する
  • 動画の中で「これはAIで作った合成動画です」と一言入れる
  • 披露宴幹事に事前に説明し、紹介の仕方を合わせてもらう
  • 動画ファイルは披露宴と新婦個人にしか渡さない(SNS共有はしない)

このルールを最初に固めることで、技術的な作業も気持ちよく進められます。

学び・気づき:「出られない」を「別の形で出る」に変える

一番大きいのは、結婚式に出られないことを「申し訳ない」と思い続けるのではなく、「別の形で出る方法」が物理的に成立する時代になったと実感する点です。

披露宴当日、新婦から「ロンドンからの動画、みんな『ちょっとSF映画みたいだったけど、本人の言葉だってすぐ分かった』って言ってたよ」とメッセージが届くこともあります。AIに頼むのは「読み上げ」と「翻訳」だけで、原稿の内容と話す順番は自分で決めるからこそ、新婦に届きます。

「ロンドンに赴任した自分のキャリア」と「親友の結婚式に出る自分」を両立できない、という葛藤が、ちょっと和らぐ選択肢です。

次に試したいこと

  • 両親の金婚式メッセージ: ロンドンから日本の両親への動画メッセージを、日本語と英語の2本立てで
  • 海外クライアント向けの自己紹介動画: 仕事の領域で英語の自己紹介動画を1本作っておく
  • 新婦からの返信動画: 新婦も「今度は私から動画送るね」と言ってくれたら、お互いPhoto Avatar文化が広がる

注意しておきたいこと

  • HeyGenのPhoto Avatar作成には「本人が同意フレーズを話す動画」の提出が必須です。他人の写真を勝手にアバター化することは利用規約違反であり、ディープフェイク誤用報告窓口も設置されています — Source: HeyGen Moderation Policy
  • 合成動画であることは、見る相手に必ず伝えてください。冠婚葬祭の場では特に「本物のメッセージだと思わせる」演出はトラブルの原因になります
  • HeyGen Creator($24/月、年払い$15/月)は商用利用可・ウォーターマーク削除・1080p出力ですが、Free版は商用不可・ウォーターマーク必須・720pです。結婚式での使用は商用利用にあたるか微妙ですが、念のため有料版を使うことをお勧めします — Source: HeyGen Pricing
  • Video Translation 2.0は175言語に対応していますが、固有名詞(新郎新婦の名前、地名)は自動翻訳で揺れます。事前に原稿を確認して手直しが必要です — Source: HeyGen Translate

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