名古屋の美容師TikTokを、HeyGenで英語と中国語に「口元まで」翻訳して海外に届ける

たとえば、こんな日

美容師さんのTikTok運用代行をしていると、ある日「中国の小紅書(シャオホンシュー)から問い合わせが来た」と連絡が入る日があります。1年前から海外向けに英語字幕を付けて配信していても、再生数はほとんど伸びていないことに気づく日があります。最近のTikTokは「字幕で言語切り替え」ではなく「音声そのものが現地語」じゃないとアルゴリズムに乗りにくい、という情報が見つかる日もあります。ダビングするしかないのですが、声優を雇うほどの予算がクライアントにない場合が多くあります。

こんなふうに使える

HeyGenのVideo Translation 2.0で「日本語の口元まで英語と中国語に書き換えた動画」を作ると、海外フォロワーの伸びが変わる可能性があります。

  • 日本語のオリジナル動画1本から、英語版・中国語版・韓国語版をワンクリックで生成できます
  • 単なる字幕ではなく、口元の動きまでその言語の発音に合わせて再合成されます
  • TikTok・小紅書・YouTubeショートに、それぞれの言語のネイティブ向けに投稿できます

使うもの: HeyGen Creator($24/月)、または海外配信を本格化するならTeam($89/月) かかる時間: 60秒動画1本あたり翻訳に5分、原稿チェック10分 必要なスキル: 動画ファイルをアップロードして、翻訳結果のテキストを確認できる程度

想像してみると

朝のオフィスで「初めての韓国アイドル風ハイトーンカラーを失敗しないコツ」という60秒の日本語動画を、HeyGenのVideo Translation画面にアップロードする場面を想像します。翻訳先言語の欄に英語(US)・中国語(簡体字)・韓国語の3つにチェックを入れて打ち込んでみる。数分待つと、それぞれの言語版の動画が流れます。英語版だと「th」の音のときに歯が見え、中国語版だと「sh」の音のときの口の形になる、という細部が画面に映ります。続けて、固有名詞(韓国アイドル名やブランド名)の発音を確認しながら、英語版はTikTok、中国語版は小紅書、韓国語版はTikTok韓国地域向けに投稿する、という流れを思い浮かべます。字幕運用していた頃の手間と効果を考えれば、海外フォロワー1人増やすコストが10分の1以下に下がる日が想像できます。

HeyGenのVideo Translation 2.0は、動画の音声を175言語に翻訳して、口元まで再合成する機能です。2026年2月時点で、1本のオリジナルから複数言語版を量産できる選択肢が揃っています。

手順:日本語動画を英語・中国語・韓国語に「口元まで」翻訳

ステップ1:日本語のオリジナル動画を撮影する

クライアントの美容師さんに、いつも通り日本語で60秒のショート動画を撮ってもらいます。「初めての韓国アイドル風ハイトーンカラーを失敗しないコツ」みたいな内容を、本人の言葉で話してもらう。ここはAIに任せない、という線を引きます。本人の表情と話し方が、海外でも伝わる素材になるからです。

ステップ2:HeyGenにアップロードして言語を選ぶ

HeyGen Creator($24/月)にログインして、「Video Translation」の画面で動画をアップロードします。翻訳先言語を選ぶ画面で、英語(US)・中国語(簡体字)・韓国語の3つにチェックを入れます。

数分待つと、それぞれの言語版の動画ができあがります。口元の動きが本当にその言語の発音に合わせて変わっている流れがあります。英語版だと「th」の音のときに歯が見え、中国語版だと「sh」の音のときの口の形になります。

ステップ3:翻訳テキストを確認・修正する

ここが一番重要な工程です。HeyGenの翻訳は実用品質ですが、美容業界用語(「ブリーチ」「インナーカラー」「ハイトーン」など)は誤訳されることがあります。特に固有名詞(韓国アイドル名、ブランド名)は要チェック。

中国語と韓国語が読めない場合、

  • 英語版は自分で確認(留学経験ある人なら)
  • 中国語版はクラウドソーシングで台湾のネイティブに5分チェックを依頼($5程度)
  • 韓国語版はK-POPファンのクライアントが簡単な韓国語が読めるなら一緒に確認

といった体制を組めます。

ステップ4:各プラットフォームに投稿する

英語版はTikTok・YouTubeショート、中国語版は小紅書、韓国語版はTikTokの韓国地域向けに投稿します。それぞれのキャプションも、ChatGPTに「TikTok韓国向けに、推し色カラーの動画キャプションを書いて」と頼んで作ります。

つまずきやすいところ

最初の月、無修正の翻訳をそのまま投稿すると、中国の小紅書から「ブランド名の発音が変。これ自動翻訳でしょ」とコメントが付くことがあります。HeyGenは音素レベルでリップシンクを合わせますが、固有名詞の発音は元の英語/カタカナをそのまま読み上げてしまうことがあります。

もう一つは、動画の中で美容師さんが「これは私のおすすめです」と日本語で言ったところが、英語版だと「This is my recommendation」と直訳されていて、英語ネイティブには硬く感じる、と指摘されること。文化的なニュアンスは、AI翻訳だけでは詰め切れません。

そして大きな葛藤として、「これは美容師さん本人の声と顔を使ったAI動画」だということを、海外フォロワーに開示するか、という問題があります。

解決の方法:翻訳版動画には「AI translated」表記を入れる

クライアントの美容師さんと話し合って、こんなルールに決められます。

  • 翻訳版の動画の冒頭2秒に「AI translated from original Japanese」のテロップを必ず入れる
  • 動画キャプションに「This video is AI-dubbed from Japanese using HeyGen」と明記する
  • DMで詳しい施術相談が来たら、英語が話せるスタッフが答える(AIで返信しない)
  • 美容師さん本人の同意動画は、HeyGenの利用規約に従って撮影・保管

合成だと明示する側に倒すと、逆にコメントで「ちゃんとAIだと教えてくれるところに好感」という反応も増えます。

学び・気づき:「言語の壁」より「文化のニュアンス」の方が深い

一番大きいのは、AIで言語の壁は技術的に超えられるけれど、文化のニュアンスは結局人間が見ないと埋まらない、と実感する点があります。

中国向けには「春節カラー」、韓国向けには「アイドル推し色」、英語圏向けには「Anime-inspired color」と、同じハイトーンカラーでも切り口を変える方が圧倒的に伸びる流れがあります。翻訳は5分でできても、その「文脈の翻訳」をするのに毎回30分くらいかかります。それでも、字幕運用していた頃の手間と効果を考えれば、海外フォロワー1人増やすコストは10分の1以下に下がる時間が流れます。

次に試したいこと

  • ベトナム語・タイ語版の追加: 東南アジアからの問い合わせも増えているので、HeyGenがサポートする175言語のうち、需要のある2-3言語を追加
  • クライアント自身の海外配信用Photo Avatar作成: 動画撮影が物理的にできない週でも、翻訳済みの新作を配信できるように
  • 海外向けライブ配信のリアルタイム翻訳: HeyGenのStreaming Avatar機能(Enterprise向け)が使えるか、年内に検証

注意しておきたいこと

  • 商用利用(クライアント運用代行も含む)はHeyGen Creator($24/月)以上が必須です。Free版は商用不可・ウォーターマーク必須なので、TikTokでクライアントの公式アカウントに使うには不適切です — Source: HeyGen Pricing
  • Video Translation 2.0は175言語に対応していますが、固有名詞や業界用語は誤訳されることがあります。ネイティブによる最終確認を必ず入れてください — Source: HeyGen Translate
  • AI翻訳・ダビングであることを動画内に明示することを強くお勧めします。プラットフォームによってはAI生成コンテンツの開示を規約で求めているところもあります
  • 撮影元の人物(クライアントの美容師さん本人)の書面同意を取ってください。HeyGenは本人同意動画の提出を必須にしていますが、運用代行の場合は別途、第三者が動画を作成・公開することへの合意書類を残すべきです — Source: HeyGen Moderation Policy

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