シンガポール赴任中、息子の寝かしつけ絵本動画をHeyGenとElevenLabsで届ける
たとえば、こんな夜
息子がまだ赤ちゃんの時期に、海外への長期赴任が決まる夜があります。「寝かしつけのときに、あなたの声で絵本を読んでほしいんだけど、毎晩ビデオ通話はキツい」と家族から相談されることもあります。寝かしつけ時間と現地の仕事が一番忙しい時間帯がぶつかると、「毎晩ビデオ通話で絵本を読む」は現実的に2〜3日でギブアップしやすい設計になります。文章を書くのが苦手で、AIツールも触ったことがない、という状態で詰まる夜があります。
こんなふうに使える
HeyGenとElevenLabsを組み合わせて「絵本を読むパパ動画」を作ることができます。
- 自分のPhoto Avatar(HeyGenで作成)と自分の音声クローン(ElevenLabsで作成)を使います
- 絵本を読む原稿を入れると、自分の顔と声で絵本を読み上げる動画ができます
- 一度仕組みを作れば、絵本1冊あたり10分で1本作れます
使うもの: HeyGen Creator($24/月)、ElevenLabs Starter($5/月) または Creator($22/月) かかる時間: 初回セットアップ1時間、以降1本10分 必要なスキル: PCでファイルアップロードができればOK
想像してみると
赴任先のアパートで、夜の少しだけ空いた時間に「ぐりとぐら」のテキストを打ち込んでみる場面を想像します。アバターは自分のPhoto Avatar、音声は自分のElevenLabsクローン。数分待つと、絵本の文章を自分の顔と声で読み上げる動画が流れます。その動画を家族のLINEに送って、寝かしつけのときに再生してもらう。最初は息子も「画面の中のパパ」と「本物のパパ」の違いに戸惑うかもしれませんが、1週間続けると画面の声を聞くと落ち着くようになる流れが浮かびます。「これは『なりすまし』ではなく、不在の役を埋める道具だ」と家族のなかで線を引いて打ち込むと、AIに任せるのは「読み上げ」だけで、絵本を選ぶ温度は人の側に残ります。
最初に整理したいのは、これは「なりすまし」ではなく「不在の父の役を埋める」用途だ、ということです。家族で話し合って、
- 自分のPhoto Avatarと音声クローンは、家族のLINEと閉じた共有フォルダの中だけで使う
- SNSや他人には絶対に出さない
- 息子が判断できる年齢(小学生くらい)になったら、本人にも仕組みを説明する
- 家族が「これは違う」と感じたらすぐ止める
このようなルールを決めてから始めるのが安心です。
手順:絵本を読むパパ動画を量産する
ステップ1:自分のPhoto Avatar(HeyGen)を作る
HeyGen Creator($24/月)に登録して、自分の写真5枚と、同意フレーズを話す動画を提出します。これは本人確認の仕組みで、他人の写真を勝手にアバター化できないようになっています。30分ほどで自分のアバターが完成します。
ステップ2:自分の音声クローン(ElevenLabs)を作る
並行してElevenLabsに登録して、自分の声で3分くらいの音声サンプル(普段話しているような落ち着いた声)をアップロードします。これも本人確認のために、ElevenLabsが指示する確認フレーズを話す音声を提出する必要があります。
ElevenLabsの方が「日本語の絵本朗読」のような落ち着いたトーンで、HeyGenの標準音声より自分の声に近い読み方をしてくれるのが決め手になります。
ステップ3:絵本の原稿を入力する
「ぐりとぐら」「いないいないばあ」など、家にある絵本のテキストをスマホで文字起こしして、HeyGenの動画作成画面に入れます。音声はElevenLabsの自分のクローン音声を選択。アバターは自分のPhoto Avatar。
数分待つと、絵本の文章を自分の顔と声で読み上げる動画ができます。
ステップ4:寝かしつけの時間に家族が再生する
動画を家族のLINEに送って、寝かしつけのときにスマホで再生してもらいます。最初は息子も「画面の中のパパ」と「本物のパパ」の違いに戸惑うかもしれませんが、1週間続けると、画面の声を聞くと落ち着くようになる流れがあります。
つまずきやすいところ
最初に作った動画は、口の動きが不自然で、「これ、ちょっと不気味の谷っぽい」と感じる場合があります。原因は、アップロードした写真が真顔すぎることが多くあります。
正面から少し微笑んでいる写真の方が、リップシンク(口元の動き)が自然になります。あと、絵本の原稿に句読点を細かく入れた方が、間の取り方が落ち着きます。
もう一つの大きな葛藤は、息子が「本物のパパ」と「動画のパパ」を取り違えないか、という心配です。家族で相談して、こんな運用が現実的になります。
- 動画は寝る前の絵本タイムだけ(ふだんのコミュニケーションには使わない)
- 週末のビデオ通話は必ず本物の本人が話す
- 動画再生時に「これは赴任先のパパからのプレゼント動画だよ」と毎回声をかける
解決の方法:「動画の用途を絵本だけに絞る」
うまく回り始めるのは、HeyGenとElevenLabsの組み合わせを「絵本の読み聞かせ専用」に絞ってからの流れがあります。
- 用途は絵本朗読のみ(挨拶や日常会話には使わない)
- ファイル共有は家族のLINEと閉じたGoogle Driveだけ
- 月10本ペースで、新しい絵本を家族から指定してもらったものだけ作る
- 「今日は要らない」と言われた日は送らない
絞ると、家族の運用としてもブレが減ります。
学び・気づき:「不在を埋める」のではなく「読み聞かせの担当を続ける」
一番大きいのは、これは「不在のパパを偽装する」のではなく、「家族での役割分担を距離があっても続ける」という捉え方に変わる点があります。
赴任前から、寝かしつけのときの絵本読み聞かせ担当だった人にとって、それが途切れることは家族にとっても寂しいもの。動画で読み聞かせを続けることで、「物理的にいない期間も、家族の習慣は止めない」という感覚が保てる流れがあります。
帰国したら、息子に「あの動画、パパが原稿読んで作ったんだよ」と話せる——そんな未来も視野に入る時間が流れます。
次に試したいこと
- 息子の誕生日メッセージ動画: 1歳の誕生日に向けて、ちょっと特別なバージョンを1本
- 季節の挨拶動画: 七五三、お正月など、節目に短い動画を作る
- 家族からの返信動画: 家族が自分のPhoto Avatarも作って、「家から赴任先のパパへ」の動画を作る
注意しておきたいこと
- 子どもの寝かしつけにAI動画を使うことに、家族間の合意は必須です。子どもが「画面の中のパパ」と「本物のパパ」を取り違えないよう、運用ルールを決めてください
- HeyGenのPhoto Avatar作成には「本人が同意フレーズを話す動画」の提出が必須です。これはなりすまし防止の仕組みで、他人の写真を勝手にアバター化することは利用規約違反です — Source: HeyGen Moderation Policy
- ElevenLabsの音声クローンも、本人確認のための音声サンプル提出が必要です。他人の声を無断でクローンすることは禁止されています
- HeyGen Creator($24/月)とElevenLabs Starter($5/月)以上の組み合わせで月10-15本程度。Creator $24/月では15クレジット/月(≒30分動画)が目安です — Source: HeyGen Pricing
- 動画は閉じたチャネル(家族LINE・閉じた共有フォルダ)でのみ流通させ、SNSへのアップロードはしないことを強くお勧めします